代表挨拶

1987 年に国連に設置された「ブルントラント委員会」がまとめた報告書『Our Common Future(我ら共有の未来)』で、持続可能な開発の重要性が広く国際社会に発信されてから30余年が経過しました。しかし、我々の世界は今もむしろ非持続可能な道を歩んでいるように見えます。

2015年に国連加盟国が全会一致で採択した『Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ)』は、この悪しき流れに終止符を打つという国際社会の決意が込められたものです。人類(People)と地球(Planet)が繁栄(Prosperity)するためには、平和(Peace)とパートナーシップ(Partnership)が不可欠であるということ(5つのP)が示され、2030年を目途に達成すべきゴールとして『SDGs: Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)』が提示されました。

現在、このSDGs達成に向けて各国で産官学⺠をあげた取り組みが徐々に広がりを見せています。素晴らしい取り組みが生まれつつある一方で、SDGsに対する誤った認識やSDGsを自己正当化や単なる金儲けの道具として矮小化する動きも出てきています。SDGs自体も完璧なものではなく、少子高齢化対応や芸術やスポーツなどの奨励など重要な観点が抜け落ちてしまっているのは事実で、国際社会が掲げるゴール自体も『変革』が求められるのは言うまでもありません。しかし、SDGsを批判するだけで我々が世界を変革するための歩みを止めれば、国際社会を取り巻く環境は悪化するだけです。

我々の子供たち、孫たち、さらにその先の将来世代に良い世界を引き継いでいけるか否かは今を生きる我々の行動にかかっています。今まさに我々人類は自らを滅ぼす方向に向かうか、生き残る方向に向かうかの分水嶺に立っています。ひとりひとりでは講じ得る対策に限界はあるかもしれませんが、同じ志を持つ者同士で知見を共有したり、手を携えたりしながら課題の解決に向けて共に取り組む(共創する)ことで、少しずつ我々の世界を変革することができると信じています。

一般社団法人サステナブルトランジションは我々の世界を変革し、持続可能な世界へ移行することを目的として、皆様のSDGs達成に資する活動のサポートをはじめとする各種事業に取り組んでまいります。

一般社団法人 サステナブルトランジション
代表理事 川久保俊